
昨年、「Best Doctors 2014-2015」および「Doctor of Doctors Network(T-PEC)の優秀専門臨床医」に選定されたのは、このような考え方や診療実績が評価されたものと自負しています。
これからも今までの経験を生かし、エビデンスに基づいた質の高い医療を提供したいと思っています。
医学博士
山中医院 院長 山中望
昭和25年: 愛媛県宇和島市生まれ(明倫小学校卒業)
昭和51年: 神戸大学医学部卒
昭和53年: 兵庫県立尼崎病院勤務
昭和55年: 神戸大学医学部助手
昭和58年: 医学博士号授与
昭和58年: 神鋼病院勤務
平成11年〜平成21年3月: 神戸大学医学部臨床教授
平成12年〜平成21年3月: 神鋼病院副院長
神戸大学医学部を卒業後、泌尿器科教室に入局。神戸大学医学部付属病院および県立尼崎病院にて泌尿器科医としての基礎的トレーニングを受けました。その後、神戸大学医学部にて研究生活に没頭し、その成果に対し医学博士号を授与されるとともに第一回稲田賞を受賞しました(論文題目:hCG産生腫瘍における免疫学的局在診断に関する基礎的研究131I-anti hcG βによる腫瘍イメージ)。
神鋼病院には昭和58年に一人医長として赴任しましたが、平成21年3月までの25年間の在職中に泌尿器科医5人体制を確立し、前立腺癌および膀胱癌の手術件数は兵庫県下で第一位となりました(朝日新聞、読売新聞の調査による)。これは、昭和61年に米国・ミネソタ州のMayo Clinicでこれらの手術を研修する機会に恵まれ、その後も手術手技の改良と検証を続けてきた成果だと自負しております。(主な業績については神鋼病院ホームページをご参照ください:http://www.shinkohp.or.jp/ )
膀胱癌で膀胱全摘を余儀なくされる場合、腹壁に尿の排泄口(ストーマ)を造設する手術が一般的でしたが、腸管で作成した新しい膀胱を尿道に直接吻合し、従来通り尿道から排尿することができる手術(右結腸利用膀胱再建術)を1986年に国内で初めて実施しました。その後小腸を利用した独自の方法を確立し、神鋼病院在職中に国内でトップレベルの症例数を経験しました。この業績に対し、平成6年兵庫県医学研究賞を受賞しました(テーマ:膀胱再建術の臨床的研究)。
前立腺癌に対する手術の第一の目的は腫瘍の根治性にあります。しかし、術後の尿失禁(尿がもれること)は患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させます。過去に報告された国内外の手術後12〜24ヶ月後の尿禁制(尿が漏れない状態)はおよそ65〜95%で、施設間に著しい格差があります。神鋼病院在職中に解剖学的基礎研究に基づいて手術方法を改良し、尿禁制獲得率を飛躍的に向上させることができました(手術後3ヶ月後には80.0%、12ヶ月後には98.3%に完全尿禁制:国内ではトップレベルの成績です)。
多くの学生に対し泌尿器科臨床医学を教育してきました。彼らには、特に泌尿器科臨床医学の実際を指導するだけでなく、医師としての心構えや人間性をどのように築いてゆくかなどを話し合ってきました。その中から次々と優秀な泌尿器科医が育ってきたことは私の誇りです。